通信制高校とは?
高校の教育課程には、全日制課程、定時制課程、通信制課程があります。
全日制高校や定時制高校では、学校に登校し、授業に出席し、各学年ごとに決められた単位を履修、進級して卒業する学年制の高校がほとんどです。
通信制高校の場合はほとんどが「単位制の高校」で、単位制高等学校は、生徒の幅広いニーズにこたえる多様な履修形態を可能にするため、昭和63年度から定時制・通信制課程において制度化され、平成5年度からは全日制課程にも拡大されています。
平成19年度には807校、平成20年度に857校、平成21年4月現在で900校となっています。
単位制高校の場合は、学年になく、卒業のために3年間以上在籍し、74単位以上修得すれば卒業が可能になります。単位認定は、各科目ごとに行われます。
これら卒業に必要な74単位以上の習得を通信制の高校では、添削指導、1単位約3回のレポート提出や、年間数十日の授業に出席するスクーリング、面接指導及びテストなどでによって行います。
それによって得た「通信制高校卒業」とは、全日制高校や定時制高校の卒業と同様、高校卒業の資格を得ることを意味します。
なお、最近では全日制高校の中にも「単位制の高校」が多く新設されるようになれ、生徒自身が考えてカリキュラムを選べるなどするため、非常に倍率の高い高校になっています。
そういう意味で通信制高校の「単位制」というシステムは現在の最先端のシステムともいえ、大学などと同様に個人の意志や自由を尊重するシステムといえそうです。
通信制課程の高校の卒業者数は、平成16年度でいえば、41,000人が卒業しており、この数字は平成15年度と比べて1,000人の増加となっており、現在はさらに通信制の高校の卒業者数は増加傾向にあります。
通信制高校のレポートの提出って大変なの?
所属する通信制高校、また履修科目数によっても違ってきますが、1か月に最大10通程度、平均で5から6通程度というところではないでしょうか。
通信制高校において、レポートの提出が全日制高校の授業に該当しますから、レポートの提出が滞ると、授業に出ないことと同じことになります。
レポートの提出の遅れるとそのまま教科の単位認定が厳しくなることにつながります。
全日制高校で授業に出席せずにテストだけ行って良い点数をとっても、出席日数が足りなくて留年するということがありますよね?
学校の成績や単位というのは、テストだけではなく、授業の出席はもちろん、授業態度や宿題の提出など総合的な判定を下して行うわけですから、通信制高校では授業の代わりの1つがレポートの提出となっていますので、レポートを提出しないで単位を修得するというのは難しいと考えておくべきでしょう。
逆の言い方でいえば、テストでは余りよい点数が取れなかったけれど、レポート提出やスクーリングで頑張ることで単位の修得は可能になるということです。
通信制高校にとって、レポート提出は授業の代わり。是非頑張って提出してもらいたいと思います。
今後の通信制高校は?
文部科学省は通信制高校のインターネット等の活用の在り方をずいぶん前から検討しています。
検討して、一部すでに導入されている点を挙げると、以下のようなものがあります。
① 添削指導への活用(レポート提出)
・電子メール等による課題の送付
・電子メール等によるレポート提出
(郵送に変わる提出手段としての活用)
・電子メール等によるレポートに関する質問対応として活用
(添削課題等の送受、質問等のレスポンスを改善)
②面接指導への活用
・高等学校と生徒宅をインターネットで接続し、双方向性の教科指導等を行うこと。なお、少なくとも10分の2の面接指導時間は確保することとする。
③試験への活用
・試験への活用については不可とする。(本人の認証等が不可)
④その他の活用
・履修登録、スクーリング等のスケジュール管理、カウンセリング予約、学習履歴、履修状況、証明書等の発行申請などに活用
・電子メールや掲示板をコミュニケーション手段として活用(生徒間、学校生徒間、学校保護者間等)
・電子メール等による質問対応として活用
単位制高等学校とは?
単位制高校は、学年による教育課程の区分を設けず、決められた単位を修得すれば卒業が認められる高校です。
昭和63年度から定時制・通信制課程において導入され、平成5年度からは全日制課程においても設置ができるようになりました。
単位制高校の特色は、
◆自分の学習計画に基づいて、自分の興味、関心等に応じた科目を選択し学習できること。
◆学年の区分がなく、自分のペースで学習に取り組むことができること
などが挙げられます。
通信制高校の体育ってどうするの?
すでに書いてきたように、全日制高校や定時制高校は原則として毎日学校に登校します。
一方で、通信制高校は、定期的な登校をしない代わりに、自宅でレポートを作成したり、添削指導を受けることになります。それがあるから、登校日数が全日制や定時制と比べて、少なくて済むわけですね。
現在は映像授業やインターネット通信による双方向の授業が自宅で受講できる環境が整いつつあるので、最初限度の登校で単位の修得が可能になります。
では、いわゆる実技に関する教科、たとえば、体育や芸術科目はどうなるのか?
実技を映像授業やインターネット通信で行うの?
通信制高校では、体育や芸術科目も、他の科目と同様に教科書・学習書で学習しながら レポートを作成します。
たしかに自宅学習だけでは実技の部分に不安が残りますよね。
そこでその部分をスクーリングで補うわけです。
体育のスクーリングでは幅広い年齢の人たちが一緒になって スポーツ・運動に取り組みます。
芸術科目は、音楽・美術・書道などの中から選択し、レポートや作品を提出し、スクーリングに出席して単位を修得します。
通信制高校卒業生の大学等への進学者数
以下、主な進学先とその男女別の生徒数です。
通信制高校の学科別進路
※学校数は生徒の在籍している学校の数で専攻科、別科は除く
| 区 分 |
計 | 大学 学部 |
短期 大学 本科 |
大学・ 短期 大学 の通 信教 育部 |
大学・ 短期 大学 別科 |
高等 学校 専攻科 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 合 計 |
7,343 | 5,503 | 1,425 | 363 | 10 | 41 |
| 男 | 3,766 | 3,270 | 321 | 152 | 4 | 19 |
| 女 | 3,577 | 2,233 | 1,104 | 211 | 6 | 22 |
通信制高校の進路状況
以下、各都道府県別の進路状況です。
平成20年度通信制高校の生徒数
そのうち、公立の通信制高校の生徒数は88,384人(男子生徒43,490人・女子生徒44,894人)になります。
また、私立の通信制高校の生徒数は94,895人(男子生徒49,886人・女子生徒45,009人)となっています。
平成20年度通信制高校の学校数
また、私立通信制高校は独立校」が71校、「併置校」が55校、「通信高校協力校」が227校あります。
公立私立をあわせると、協力校を含めると全国で416校の通信制高校があります。
以下、各都道府県の通信制高校の学校数です。
平成20年度通信制高校の修業年限別学校数と生徒数
また、修業年限4年の通信高校の学校数は52校で、生徒数は49,613人(男子24,483人・女子25,130人)となっています。
以下、各都道府県別の修業年限3年及び4年の学校数と生徒数の一覧です。
通信制高校の課程における教育課程の特例
そのほか、学校設定教科に関する科目のうち普通教育に関するものについては、各学校が定めます。
| 各教科・科目 | 添削指導(回) | 面接指導 (単位時間) |
|---|---|---|
| 国語,地理歴史, 公民及び数学に 属する科目 |
3 | 1 |
| 理科に属する 科目 |
3 | 4 |
| 保健体育に 属する科目 のうち「体育」 |
1 | 5 |
| 保健体育に 属する科目 のうち「保健」 |
3 | 1 |
| 芸術及び外国語 に属する科目 |
3 | 4 |
| 家庭及び情報に 属する科目 並びに 専門教育に 関する 各教科・科目 |
各教科・科目の 必要に応じて2~3 |
各教科・科目の 必要に応じて2~8 |
総合的な学習の時間の標準単位数は3~6単位とし、その添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については、各学校において、学習活動に応じ適切に定めるものとされています。
面接指導の授業の1単位時間は、各学校において、各教科・科目の面接指導の単位時間数を確保しつつ、生徒の実態及び各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとされています。
学校が、その指導計画に、各教科・科目または特別活動について計画的かつ継続的に行われるラジオ放送、テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を取り入れた場合で、生徒がこれらの方法により学習し、その成果が満足できると認められるときは、その生徒について、その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数のうち、各メディアごとにそれぞれ10分の6以内の時間数を免除することができるとされています。
ただし、免除する時間数は、合わせて10分の8を超えることができない。
特別活動については,ホームルーム活動を含めて,各々の生徒の卒業までに30単位時間以上指導するものとする。
中学生が通信制高校に進学する割合
以下、過去5年間の進学先割合です。 通信制高校へ進学する割合
| 年度 | 卒業者数 | 全日制 | 定時制 | 通信制 |
|---|---|---|---|---|
| 単位:人 | 単位:% | |||
| 平成15年 | 1,325,208 | 92.9 | 1.8 | 1.1 |
| 平成16年 | 1,298,718 | 93.0 | 1.9 | 1.1 |
| 平成17年 | 1,236,363 | 92.8 | 2.1 | 1.2 |
| 平成18年 | 1,211,242 | 92.7 | 2.1 | 1.2 |
| 平成19年 | 1,213,709 | 92.5 | 2.2 | 1.3 |
| 平成20年 | 1,199,368 | 92.4 | 2.3 | 1.4 |
高校における不登校の生徒数
平成16年度の高校における不登校の生徒数(国公私立の高等学校)は、67,500人で、在籍者に占める割合は1.82%となっています。
不登校の生徒数を、国・公・私立別にみると、国立で31人(在籍者に占める割合0.35%)、公立で49,860人(1.91%)、私立で17,609人(1.61%)となっています。
不登校生徒のうち中途退学した生徒は、24,725人で不登校生徒数に占める割合は,36.6%。原級留置となった者は,7,551人で11.2%。
不登校の生徒のうち,中学校時に長期欠席の経験があると高校で把握している生徒は、4,245人で、不登校生徒数全体に占める割合は,21.1%となっています。
不登校となった直接のきっかけは,「学校生活に起因」と「本人の問題に起因」がそれぞれ約40%を占め、残りが「家庭生活に起因」となっています。
不登校状態が継続している理由は、「無気力」が最も多く、続いて「不安など情緒的混乱」、「複合」の順になっています。


